芙蓉。夏が終わる頃。 薄桃色の花が咲く。 小さい頃。 ただ綺麗だなと、 単純に思った。 単に。 砂糖菓子に形が似ていたから、 甘そうに映ったのかも知れない。 ある日。 どうして綺麗なんだろう? なぜ、好きなんだろう? と、疑問が湧いた。 すると、 不思議なことに、 瀟洒で(しょうしゃ) 薄桃色で綺麗だった 特別な花が、 ただの ピンク色の 花にしか 見えなくなっていた。