不安なせいだ。


新しい環境に、不安なだけだ。

もう二度と、あんな生活には戻りたくも

ないけれど、こんな日は、良かったことばかり、

思い出す。


いつも、いつも別れたいと思っていたけど。

出来なかった。


やはり、出来なかったのは、

好かれていると言う安心感がある上で、

決めようとしてたから。


抱きしめられるとやはり、あたたかったし、

ぼやぁっと、うとうとしてた時、

ふと抱きしめられて呟くように、


「愛してる」


と、言う言葉を聞いた夢のような一瞬。


いつもそうだったら、良かったのに。


ああ。

何と言えばいいのか分からない。

上手く表現できない。


ただ、そんな一瞬は、光のように

スッと刺して来てスッと消えて行った。


ただただ、嫌なことばかりが

積み重なっていたのだ。

彼は、私を忠実な犬としか、

捉えてないといつも感じてた。


と、同時に私は、とてつもない

重荷を感じた。


私は、彼の色んな要望に言葉に、

答えられるものは、何も無かった。


「ゾッとする程の、背筋を虫が

蠢く気色の悪さだった」

から。


彼が、別れるのに応じてくれない度に、

私はより一層、逃げたいと感じて、

疲れきっていた・・・。