15の時、社会の先生が好きだった。

その頃から、激しい感情を

そのままストレートに表現せずには、

いられなかったので、色々と

行動に表わしていた。


まず、朝早くに登校。

それから、先生達の下駄箱付近に

立ち、


「おはようございますっ!」


と、はにかみながら挨拶をするのが、

日課だった。


私のクラスの社会の先生じゃなかったので、

多分、他のクラスの時間割をチェックして、

授業が終了次第、廊下へとだだ走りをして、

先生を見送ってたようだ。


また、先生の授業中の声を友達に

録音してもらった。


また、先生が結婚する前日に、

色紙に何か言葉を書いてもらったりさえした。


「誠実であること」


と、言うような内容だったと思う。


もちろん、誕生日には本を贈った。


でも、バレンタインデーには、何もせず。

卒業式でも、何もせず。


特に、今でも思い出すのは、色紙に言葉を

書いてもらったことで、友達と

自転車で帰っていたら、景色が

ゆらゆらと溶けて行った。


少し肌寒い風が吹き始めた10月の終わり頃。


この季節は、とてもとても懐かしいのに、

それでいて胸が締め付けられるような

切ないものを感じてしまう。


やはりそれは、この季節、香りで

存在を主張する金木犀の香りが象徴してるからだろう。

それと、レモンリップの甘酸っぱい香りも。