ケイくんに、どうしても送って欲しい

自分の写真があって、手紙を出したら、

しばらくして、送られてきた。


白い紙に包んであり、ケイくんにしては

親切と言うか、珍しいことだなって

思ったら、それは手紙も兼ねてあった。


相変わらず、十代後半的な内容の

無邪気な文章。


しかも、鉛筆で書いてあるし。


内容は、哀しいから書かないけど、

何でこんな優しさを見せるんだよ、

もう、終わりになったあたしたちなのにと

思うと、涙が止まらなかった。


あたしがもっと、毎日を大切に

生きていれば、ケイくんもあたしと、

最期まで付き合ってくれてたかも知れないのに、

すっかり甘えきって、ダメにしてしまった。


あんなにもいいひとに出会えたなんて、すごい

確率だったにも関わらず・・・。


彼が何かを注意する時は、よほどのことじゃないと

なくって、しかも何度も言わないもんだから、

つい、注意されてる感じと捉えられなくって、

欠点ばかりが目に付いてたんだろうと思うと、

天然バカもいいところだったなと思う。


最近、毎日が辛い。

涙ばかり出る。

もう、イヤだ、こんな人生。


もう、後戻りの不可能なケイくんとの日々。

でも、何でだか思い出せない幸福だったはずの日々。


ケイくんは、華奢な女の子が好きで、

太ったあたしに性交渉を求めてこなくなったので、

あたしは、せめてもの慰めにと思って、

手を使って、出してあげてた。


出ると、ケイくんはいっつも恥ずかしそうに

して、あたしがティッシュで拭きあげるのを、

申し訳なさそうにしてた。

それがまた、もう、可愛くってたまらなかった。


大抵、


「遊んでいい?」


「・・・いいよ」


って、感じで始まるのがいつものパターン。

多分、十日に一回はさせてもらってたと

思う。


ちっとも苦じゃなかった。

むしろ、それで気持ちいいのなら、

何度でも、毎日でもしてあげたかった。


でも、そんな関係も時には空しかったりもした。


でも、太ってしまったあたしが

悪いんだと思い込んでた。


もう、ケイくんとは連絡も取り合うこともなければ、

偶然にも出会うこともないと思うと、

哀しいけど、会えたとしても、

もっともっと辛いだけ。


だから、もう、これで終わりにするんだと、

決めた。


さようなら、ケイくん。

すっごい幸せをくれてありがとう。

素敵な彼女を見つけてね。


じゃあね。