父は、(とも言いたくもない、愚弄な父だが)

腰のヘルニアを患い、未来に宿泊してもらい、

朝と夜、太ももを揉ませていたと、未来から訊いていた。


話、変わりますが、のど、枯れてます。

つい、さっき、父に電話を2回して、

散々、怒鳴りつけたので。


そしたら、太ももは触るわ、半勃ちしてきたとも、

何ともおぞましいことを平気で言われ、

未来がこう相談して来た。


「お父さん、あたしの太ももは触るし、

半勃ちしたとか、言うとよ。

でも、何か何とも言い様がない、

変な気持ちになるのって、おかしいのかな?

あたし・・・・・・」


もちろん、こう答えた。


「そりゃ、当然よ。あんた、最悪、

近親相姦されるかも知れんよ。

早よ逃げないかんよ!」


そしたら、5日の地獄の日々から

解放された未来は、アパートに

やっと帰れて、ほっとして、気が抜けて、

ぐっすりと眠れたそうだ。


信じられない。


親が抵抗も出来ない女性を犯すなんて。


どこがどう気持ちいいんだか、分からないが、

抵抗されるスリルとかが、面白いとか、

気持ちいいのか・・・・・・。


夜回り先生の実話で、藍ちゃんと言う子が

小学生の頃から、犯され続けていたにも

関わらず、母親は、離婚されたら、

どこへもいけない孤独な身だし、

大人しくて、しかも、その父親は

ある会社の社長的存在で、

誰も逆らえなかったと言う。


しかも、藍ちゃんは苦しいことから、

逃れるために、シンナーを吸っているのも、

両親は知っていても、辞めさせなかった。

何故なら、シンナーに酔っているときは、

あまり抵抗できない藍ちゃんモードに

なるからと言う理由からだったのだ。


で、両親が見舞いに来ると、

必ず、食べたものを吐き、

これは百%、父親が悪いのだから、

訴訟を起こせばいいのにと言っても、

裁判所では、イヤでも父親に会わねばならない

現実が怖くて仕方なかったらしいので、

自分が我慢するしかないと、思っていたが、

とうとう耐え切れず、裸で外に逃げたりする

日々が続いていたので、出来る限り実家から、

遠い病院へと、預けられた。


そして、恋人が出来た。

優しくて、頼もしい人。


でも。

朝からのデートで、彼があまりにも

嬉しい状況で、つい、藍ちゃんの

ほっぺたにキスをしたら、

もう、すっごいことになった。

フラッシュバックと言う奴だ。


リアルに衝撃的な体験をしてしまうので、

藍ちゃんの場合は、叫びながら、自分の

服をびりびりに破って、闇雲に逃げ続けたという。


そして。


「先生・・・・・・」重く沈んだ声だった。


「どうした藍?こないだの話は聞いたよ。

大変だったな」


「わたし・・・・・・ダメだよね。人を好きになる

資格なんてないよね」


「どうして突然そんなことを言い出すんだ?」


「・・・・・・わたし、もう汚れちゃってるから」


「いや、藍はきれいだよ。可愛いし、美しい心を

持っている。もし、先生が独身で、もう少し

若かったら藍と結婚したかったな」


「そんな・・・・・・ありがとう先生・・・・・・

でも、もうわたし、人を愛せない。

ダメなんだ・・・・・・」


それきり藍は絶句し、電話はそのまま切れた。


夜回り先生の頭に浮かんだのは、

藍ちゃんの「自殺」だった。


一応、保護室に入れたり、

鎮静剤を打ったのだが、

藍ちゃんは、シーツを細めに歯で食いちぎって、

ベッドサイドの柵にシーツを巻き、

自分の体重で首をくくって亡くなってしまった。


顔がパンパンに腫れていたし、

シンナーでボロボロになっていた歯が

落ちていたと言う。


こんなことって、アリなの?

いくら、ロリコンであったとしても、

自分の娘にあんなえぐいことを

黙って聞いてろ?


ふざけんなっ!


てめえなんぞは、

地獄に落ちて、

業火の火に焼かれて、

死んで、生き返り、

また、火に焼かれては、

死ぬの繰り返しを味わうがいい。


死んでしまえ。

お前に、人間と言う称号など、

与えられるものか。


未来。

こんなこと、本当は言いたくなかったよ。

でも、あの漫画で、自殺の場面を見て、

つい、それをやろうとしたけど、気絶さえ

出来なかった、死ねなかったと言ってたね。

あれで、終われば良かったのに・・・・・・。


もう、何もかもが、遅い。


厭世観で一杯でたまらない・・・・・・。



「そうか。要らんね。69円

なんやけどなあ。その食パン。

でも、おいしいかどうかも分からんメーカー

もんだから、買わないほうがお得なのかも

知れんね」


これは、妹とのメールでの話である。


妹は、何度も何度も何度も、就職を

探そうとしたが、勤めてみても、

身体が言うことを利かず、結局、

どこででも雇ってもらえなくって、

生活保護を受けながら、耐えていた。


なので、出来る限り負担のないようにと、

69円の食パンをあげようとしたけど、

まだ、あるからいいよとのことだったし、

気を遣ってくれてありがとうと言ってくれる

優しさを持ち合わせた妹だった。


それなのに、以前のメールでは、

援助の件は、出来ない、何故なら、

前に貸してたお金も返して

もらってないからだった。


哀しい。

哀しすぎる。

援助と言っても、精々一万くらいの出費くらい、

してやれば良かったのに・・・・・・。


もう、後悔しても遅いけど、

ふと目にしたメールに、確かに

妹のことも労わって上げられなかった、

愚かな姉でしかなかった。


いつぞやは、大分で、とても好きなひとの

メンバーのライヴがあったので、妹からの

携帯への電話に出なかった。

ちょうど、ドライブモードにもなっていて。


が。

妹が借りたかった金額、いくらだと思いますか?


千円。それ以上もそれ以下もない、千円。


いくら、好きな人が出るライヴでも

あったとしても、

飛んで帰って、妹に1万位なら、

返してもらわなくても

いいから、貸して上げたかった・・・・・・。


もう、すごい遅いけれども・・・・・・。

死ぬほど憎んでいた、

束縛男とあたしは、yに対して、

同じコトをしていた。


yは、単に友達づきあいとしてとか、

あたしの妹の話を訊いて、心配になり、

ストレスとなり、それでカラオケに

行ったかも知れないのに、あたしと来たら・・・・・・。


毎日、yの顔や表情や、言ってる事、

好きな服装、遊びに行ったり、行かれたり出来る

同級生がうらやましくって、仕方なかった。


勝手にyのことを私だけのことを考えてくれる、

ひとだろう、それが当然だろう、あたしがこんなも

好きでいるんだからさ、いいじゃんとすら、

傲慢もいいところの考えしかなかった。


せっかく、カラオケの部屋から抜け出し、トイレで、

メールを送ってきてくれたのに、

あたしと来たら・・・・・。


「あのね、yがどこで遊ぶのは自由だよ。

デモネ、今のあたしにみんなで楽しくあそんでるだあ

とをか、伝えなくてもらっても困るよ。

つか、はっきり言わせてもらうと、すっげー

むかついてるよ。何が別格のダチだよ。

何が、特別なダチだよ。もう、頭痛いよ。

もう、今度同じことあったら、絶縁するからね。」

(原文、まま)


これには、温厚で優しいyもぶちきれて、

女友達とかに相談して、もう、yのこと、

ユリさんには重荷になってるんじゃないの?


とか、言われたらしい。


そして、吹っ切れてよかったとあった。


当然だね。バカなあたしよ、

一生、孤独な人生でしかないことを

重々と責任を抱えて死ぬしかないね。


でも、後追い自殺だけはしない。


寿命が来るまで、yに独り言で、

毎日、謝罪してるうちに、

餓死して、数ヵ月後、

発見される運命かも知れない。

でも、それだけは避けたいのが本心。


だから、もう、いいんだ。

あたしには、文章の道を究める

覚悟があるんだから。

それを勝手に当てにして、

生きてゆくしかない。

それがどんなにかどんなにか、

辛くきつい道のりで、遅咲きも

いいところで、一日の食事も

ありつけるか、ありつけないかも

分からない老後を送るかも知れないのに、

出来ることは、ただひとつ。

文章を綴る。それだけ。


ごめんなさい、y。

心労に、イラつきに、無情で、冷酷な

あたしをどう思っているかはわからないけど、

妹の件を巻き込んだことは、いくら別格で、

特別な友達とは、言え、巻き込むべきじゃ

ありませんでした。ごめんなさい。

って、それで済むのなら、警察も要らないですね。


アメリカとかだったら、もう、何十億とも何兆円ともの

宣告を受けても、まだまだ足りないばかりの保釈金か、

死刑でしたね。


でも、あなたと過ごした時間はあっと言う間でしたが、

あんなに幸せだったコト、ケイくん以来でした。


そんなあなたを繋ぎとめる権利も義務もありません。



私は何とかして、y無しで、

生きてゆきます。


だから、私のことは心配しないで。


生活保護と言う道もあるから、

大丈夫です。


それじゃあ、ね。


でも、本心はこう言ってます。


今、そう、今を大切に生きると言うことを

約束します。


だから、もう一回だけチャンスを

下さい。


こころから、反省して、yのこと、

大事に大切にするから、もういいよとか

言わないで欲しいんですが、

もう、終わったことなんでしょうか?


それには、答えてはもらえないのでしょうか?


もし。

私にトラウマを感じるほどの感情しかないとか、

落ち込んで仕方ないとか、怒りが収まらないとか、

そうゆうことまでのショックを受けさせてしまっていたと、

したら、もう、完全にあなたの今後のご多幸を

祈るばかりです。


こころの中には、いつも照れくさそうに笑ってるyがいる

から、大丈夫ですよ。


ありがとう。


私を大切で、ひとりのにんげんとして、

扱ってくれたこと、一生忘れません。


「君が教えてくれた花の名前は、

街に埋もれそうな、忘れな草」


そんな壊れそうでいて、丈夫な

花で、可憐でもあり、儚くさえあり、

私は、とても尾崎豊の

「Forget it not me」

好きです。


哀しい歌ではありません。

哀しみ、喜びを分かち合うカップルの

切ないばかりの名作です。


もし、興味を抱いてくれたなら、

聴いてみてください。


邦楽を流してる喫茶店とかで、

どこの有線会社から流してくれるてるか、

ウェイターとかウェイトレスが

教えてくれるはずだし、何番ですか?

とまで、訊いてください。

そしたら、お金も30円くらいで、

聴けます。


でも、かなりタイトル間違えている

可能性があるので、忘れな草で検索

してもらったら聴けるのではないかと

思います。不確かな情報でしかないのは、

残念なことですが。


ただ、それがシングルカットされてるのかが、

分からないかも知れません。

もう、20年前以上の歌だから。

まだ、レコードしかなかった時代ですよ。


聴いてくれたらいいなあと思います。


そんなカップルになりたかった。

でも、なれなかった。


いつか、そんな日々もあったねと、

老後、縁側でお茶をしながら、

外を眺めたり、散歩したり、

時には、お互いが好きなお店で、

ささやかな食事をいただくとか、

同じ布団でいくつになっても寝てないと、

眠れないくらい、お互いを必要とするくらいの

カップルになりたかった。


でも、もう・・・・・。


分かってます。


ごめんなさい。




あまりにも疲労感が続き、

しんどいにも程があるため、

休養目的で、11月1日から

入院させてもらおうと、

勝手に決めてますけど、

多分、入院は可能だと思います。


それに10月28日は、吉井和哉さんの

ライヴがあるし、後片付けもまだ

終わってないので、しばらくきつい

日々が続きそうです。


自殺。


これだけは、みなさん、辞めてください。


悲しみを残してしまうだけです。


精神的に辛かったら、保健所に

相談してきてください。

あなたに合った病院を親切丁寧に

こころのこもった対応をしてもらえます。


どうか、それまではどうかどうか、

思いとどまってください。


切なる私の願いです。


ひとりでも、自殺するひとが減りますように。



夕方、テレビを久しぶりに見てたら、

ニュース番組で、余命残り少ない方の

講演で、叫ぶ最後の言葉が、

タイトルどおりの言葉。


わたべさんと言う方だ。


講演回数も60回は超えていると言う。


未来がまだ生きていたのなら、

そう伝えたかった。


未来が、


「あたしなんか、死んじゃえばいいんだ」


と、言うメールに対しての

私の返事は酷すぎた。


「あんたが死んでおらんくなったら、

ばあちゃんもあたしも

お父さんもどうやって

生きていけばいいとよ?」


未来は、それを金銭問題だと

勘違いしたらしく、

私の伝えたい正確な情報を

伝えることが出来ないまま、

とうとう、逝ってしまった。


軽い命。


わたべさんに取っては、

そうにしか見えないんだろうけど、

未来のこころの闇は深すぎた。

大きすぎた。厭世観しかなかった。

母の交通事故現場を一部始終、

見せ付けられた。毎年、母の命日が

近付くと、精神的なものなのか、

必ずと言っていい程、調子を崩していた。

生きている意味が分からなくなっていた。

頑張ろうと仕事を

探して、定年まで頑張るつもりで、

一生懸命、見つけてきては、

すぐに辞職させられて、

かなりのダメージを受けていた。


そのこころの闇って、

わたべさんに言わせれば、この50年間、

働き続けた、なのに、何故?

俺が死ななくてはならないんだ。

何の悪いこともしていない、

何故だ、何故なんだ・・・・・・。そのくらいで、

自殺する程度のこともないだろう、

バカじゃないのか?

と、言われそうな気がする。


哀しい。


思わず、大きな溜息が出るばかり。


たまらなかった・・・・・・。


やりきれない。


もう、何の手立てもないけれど、

もし、神がいるのなら、

未来を返して欲しい。


でも。

辛すぎたんだね、

お母さんに会いたかったんだね、

病気に負けちゃったんだね・・・・・。


もう、何も怖くはないんだよ。

あたしなら、大丈夫。

何か、後追いしそうだと

勘違いされてるみたいだけど。


だって、yがいつも傍に居てくれるから。(こころの中)

だって、yがいつも支えてくれるから。

だって、yが本気で怒ってくれるから。

だって、yが最高のダチって言ってくれるから。

だって、yのコト、大好きで、いつも一緒にいたいから。


まあ、今は遠距離ダチ状態なんだけどね(笑)。


だから、後追いする理由がないんだよ。

って、そんなこと言わなくたって、

分かってるよね。


じゃあ、あたしが来るのも待っててね。

一杯、話そう。

一杯、遊ぼう。

時には、ダブルデートでもしよう。


ダブルデートか。

あんたとは、したかったけど、

とうとうお邪魔虫でしかなかったのが、

ちょっと残念だったかな。


まあ、そんな感じだよ。









何だったのか、忘れたのだが、

洗わねばならぬコップかなんかを

つい、テーブルの上に置きっぱなしに

してたくらいで、叔父に怒られた。


そんなこと、言われたって・・・・・・。


で、ばあちゃんも年なんだから、

やらせっぱなしじゃ、ダメだよとか?


俺のお袋だから、その辺分かってるのか?とか。


全く、もう、ほんといや。


まだ、水曜日だしなあ。

後3日も一緒に暮らさなきゃいけないのかと

思うと、気が重い。


でも、スケジュール一杯一杯のあたし。

叔父とも接することなく、済む時間も増えるから、

何とかやっていこう。


大体さ、あたしは飲んだ後のコップとか、

いっつもいっつも置きっぱなしじゃないんですけど。

たまたまだったんですけど。


ったく、冗談ひとつも通じない、

真面目人間には、参るよなあ。


ああ、やだやだ。これだから、

得意と言えば、真面目だけってやつ。


ああ、ああ、はいはい。

あなたが一番正しいです、

はいはい、分かってますから、

あたしに関わるのは、辞めてくださいよ。


それと、息子をなんだかんだと、

ぱしらせるってどうなんだか、

そんな叔父が分からない。

自分でやれることは、自分で

やるのが、親じゃないのか?


ったく。部屋があるから、いいものの、

パソコンがあるから、いいものの、

もう、イヤッ!


大体さあ、昼間から夜にかけて、

何本もビール飲んでるあなたの

神経を疑うんですけど。

しかも、箱買いまでしないと、

足りないとか、変すぎ。

糖尿病の認識、甘すぎるにも、

程があるよな、子どもだってまだ、

手がかかるし、色々と面倒も

見なきゃならないのに、そんなに

いくら飲みたいからって、延々と

飲む続けるお金があったら、

貯金でもするのが、ふつーでしょ?

違うんですか?


だから、真面目一本のひとって、

苦手なんだなあ。


仕事もせずにふらふらしてってしか、

思われてないんだろうな。


はあ・・・・・。きついんですよ。

それに、一回だけだけど、

カレーは作ったし、洗い物だって、

出来る限りやろうとしてるんですけど。


永遠君が、あえて分かんないひとに、

分かってもらおうとか、無駄でしかないこと、

やってもバカらしいだけですから、

自分達が分かってあれば良かとじゃなかとですか?

と、言われて、そうゆうもんかなあと思った。


疑われてるのにも、関わらず、そんなことを

言える永遠君には、また脱帽。


何故なら、彼の物言いにむかついて、

あんたさあって、怒り始めたら、せつせつと

諭して貰って、やっとのことで、誤解して、

ごめんなさいと言えたのは、やはり永遠君の

優しさ、思いやりを感じられたからだろう。


ああ。土曜日、早く来ないかな。

でも、長居は禁物。

あ。

居ないんだった、土曜日、叔父達は。

従兄弟はいい奴なんだけど、

叔父だけはねえ・・・・・・。


じゃあ、あたしはこの家を出て、

生活保護を受けます、

それで、小山田家からは、完全に

縁を切りますから、それでご満足でしょうよって、

言いたいくらいあった。


すいませんねえ、前世で相当悪いことでもしたのか、

こんな病気になって、ろくろく働けないわたくしで、

申し訳ありませんでしたっ!









「・・・・・・もう、生きてゆくことに疲れちゃった・・・・・・。

誰か殺してくれないもんかしらって、

時々思うの」


伏し目がちのゆりぃがポツリポツリ

と、呟いた。


一哉は、敢えて何も言わずに、

ゆりぃをただ優しく抱きすくめた。


ゆりぃは静かに涙を零し始めた。


・・・・・・どれだけ、時間が経っても

ゆりぃは、泣き止めずにいて、

一哉のシャツは、ゆりぃの流した涙で、

ぐっしょりと濡れていた。


「時々、そう思うの?」


一哉は、ゆりぃの頭を撫でながら、

訊いてみた。


「うん。時々ね・・・・・・」


ゆりぃは、しばらくして答えた。


「薬って、そうゆう時のための

もんだろ?もう、飲んじゃった?」


と、言うが早いが一哉は、

コップに並々と水を注いで、

持って来た。


「そんなもの、気休めでしかないのよ。

効用があるとかと言うよりも」


投げやりに言うと、ゆりぃは2~3日分、

ざらりと薬を手の平に出すと、

あっと言う間に、飲み干してしまった。


「おいっ!そうゆうのODって、

言うんだろ?何でそんなひでえこと、俺の目の前で、

するんだよ?俺は、何のためにいるんだよっ?!」


一哉は、ゆりぃのほっぺたを一発ぶった。


「・・・・・・ただ、寝ていたいのよ。

色々考え悩まなくって済むから。

あたしって、歩く悩み事みたいなにんげん

なんだから」


ゆりぃは、よほど元気がないのか、

反発もせずにただただ、今がどんなにか、

辛いことかも言わなかった。


「痛かったろ?ごめんな」


一哉は、自分のしたことをすぐ詫びた。


それにしても、何がゆりぃをそうさせるのだろうと、

一哉は考え巡らせてみた。


(衣食住は、ぜいたくなくらいだし、家事も

無理矢理やらせてる訳じゃないし・・・・・・。

あ。あの5年つきあった男のことかも知れない)


一哉は胸がチクリと痛むのを否定できなかった。


ゆりぃはと言うと、もうすっかり眠り込んでいた。

一哉は、ゆりぃを抱き寄せると、

心地よい体温に安心して、すぐに眠った。


・・・・・・ゆりぃは、朝5時頃、目を覚まして、

起き上がろうとしたが、まだまだ、眠気が

残っていて、すぐに横たわると、眠り始めた。


一哉はゆりぃの動く気配で、、目を覚ました。


「ゆりぃ?ゆりぃ?何だ、寝ちゃったんだ・・・・・・」


一哉はゆりぃの寝顔の辛そうな表情に、

昨日感じた胸の痛みをかんじて、

ゆりぃのほっぺたを撫でた。


(コーヒーでも、作るか)


こころの中でぼそりと呟き、

眠いながらも丁寧にコーヒーを落とした。

アイスコーヒー用の。

そして、グラスに氷を入れられるだけ、

入れるとコーヒーを注いだ。


そして、もう断ってしまって、数ヶ月経った、

タバコが無性に吸いたい気分がしたが、

一本として、ないし、買いに行くまでしては、

吸う気にはならなかった。


(ゆりぃも辞めてみればいいのになぁ。

あいつは、チェーンスモーカーも

いいところだよなあ・・・・・・)


一哉が、タバコを辞めたのは、ちょくちょく値上がりして

行くとか、ない時の感じる離脱症状に、

振り回されるのは、いい加減に疲れてしまった

せいだった。


「やぁよ~」


ゆりぃに禁煙の話をしてみたが、徹底して、

イヤだと言うばかりで、すぐに話を逸らそうとする。

一哉も根負けしてしまい、好きなように

させておいたが、内心、本当は気がかりでならなかった。


「いいのよ。ガンになっても吸うの!

あたしは、離脱症状って、狂いそうに

なるくらい、辛いんだって、何度も

言ったじゃない!いい加減にしてよ!」


初めの禁煙中の時は、目の前で

スパスパ吸われるのには、ムカつきっぱなしだった。

タバコの件で、何度、言い争いになったことか・・・・・・。


・・・・・・しばらくして、ゆりぃは、一哉が

ソファでアイスコーヒーを飲んでる横に、

黙って寄り添った。


「アイスコーヒー飲む?」


と、一哉。


「うん」


と、ゆりぃ。


「じゃ、待ってな」


一哉は、一応ミルクとシロップを

添えて、アイスコーヒーを持って来てくれた。


「ありがとう。それにしても、

昨日はごめんなさいね・・・・・・」


ゆりぃは、立ち上がると深々と

一哉に向かって頭を下げた。


「いいよ、そんなことしなくっても。

それよか、何で悩んでんのか、

訊かせてもらえないの?」


と、一哉。


「もう、ね。終わってしまって、今更

蒸し返しても、どうしようもないし、

忘れられないし、つまり、言う

つもりはないのよ、どこの誰にも」


と、ゆりぃ。


「ゆりぃが悩んでるのは、例のゲーム

好きの男のことだろ?」


と、一哉。


「分かってるなら、いいじゃない。

でもね、今はとても幸せなのよ。

でも、それと元彼とのこととは、

また、別の次元の話。

あなたを巻き込ませたくないの」


ゆりぃは、ちょっとだけ下唇を

かみ締め、アイスコーヒーを飲んだ。


「言った方が、楽になんねぇ?」


一哉は、ゆりぃの肩を抱き寄せた。

ゆりぃは、一哉の肩に頭を寄せた。


「話して楽になれる程なら、

それに越したコトはないんだけどね・・・・・・」


と、ゆりぃ。


「まあ・・・・・。過去は、変えられないしな」


と、一哉。いつものくせで、ゆりぃの長い髪を

人差し指で、巻きつけたり、撫でたりして、

お互いを癒しあうふたりであった。


「なぁ?何か欲しいもんとかないのか?」


と、一哉。


「そうねぇ・・・・・・。見るだけでいい感じだけど、

今時、ロケットペンダントとか、ハートの

ペンダントとかないものかしら?」


と、実は欲しかったりするゆりぃだった。


「原宿とかに行けば、あるのかもね」


と、一哉。


「でも、そんなところでうろうろしてたら、

また、ファンの子達に囲まれちゃって、

大変じゃない?」


と、ゆりぃ。


「まあ、確かにな。自分で言うのも何なんだけどさ」


と、一哉。


「何かのフォークソングに出てきそうな単語よね。

ロケットペンダントに、ハートのペンダント」


と、ゆりぃ。


「だな。本当に欲しいの?」


と、一哉。


「ううん。言ってみただけ。あなたは、いつも

あたしの傍にいてくれるから、要らない」


と、ゆりぃ。


「そうか」


と、一哉はと言うと、ゆりぃの髪に

両手を入れて、くしゃくしゃにして、肩を

寄せ、頭を撫でくりまわした。


「もう!何すんのよ~」


と、満更でもなさそげなゆりぃ。


「俺、ごはん作るから、ゆっくりしてな」


と、一哉。


「ええ~?あたしも手伝うよ~」


と、ゆりぃは一哉の背中から、抱きついて、

わざと邪魔をしてみたりした。


「こらっ!ゆっくりしてなさいっ!」


と、一哉が言っても、離れるどころか、

もっと、ピッタリとくっつくゆりぃだった。


「こらこら。ご飯、作れないじゃん」


と、一哉。


「好きよ。一哉。ずーっと、あなただけよ」


と、ぼそりと呟くゆりぃ。


一哉は、


「あ~?何?」


と、とぼける一哉。


「もうっ!聞こえてるくせにっ!」


と、ゆりぃは一哉の背中を力一杯、

叩きつけ始めた。


「こらっ!卵の黄身、潰れちゃったじゃないか!

これは、ゆりぃのね」


と、一哉。


「いいもーん。だって、意地悪するんだもん」


と、ゆりぃ。


「俺を怒らせるとそりゃあ、怖いぞー」


と、人差し指を頭からにゅっと出して、

鬼を真似しながらも、一哉はいつもの

くしゃっと崩れた笑顔を見せてくれた。


「あなたの笑顔には、癒されるわ。

いつも、笑った顔、見てたいから、

いい子にしてるよ」


と、一哉に抱きついて、離れないようともしない

ゆりぃ。


「ゆりぃ。サラダは作ってよ」


と、一哉。


「いいよ~」


ゆりぃは、何のサラダにするか迷ったが、

これと言って、浮かばなかったので、

フルーツヨーグルトサラダを作ることにした。


「ねぇ?コーヒーは、ホット?アイス?」


と、一哉。


「ホットがいいかなあ」


と、ゆりぃは言った。ゆりぃは、最近、

アイスコーヒーを飲んでばかりだったので、

そう答えた。


「うしっ!出来たぞっ!配膳、手伝ってよ」


と、一哉。


「うん、いいよ~」


と、ゆりぃはまた一哉に抱きついた。


(こんな日々が永遠に続けばいいのになあ・・・・・・)


朝は、ゆううつ気味のゆりぃは、一哉の傍に

いつも一緒に居ても、不安になる。一哉は、

バツイチだし、もてるし、あたしなんて、

一哉に釣りあってるのかなあとも、

時々、心配になってしまう。


「おっ!また、何か不安になってんのか?

どうした?」


うつむいたゆりぃは、静かに涙を流していた。

それは、とめどなく流れた。

まだ、こころが揺らいでいるゆりぃ。


(あたしなんて、一哉にはお似合いじゃない。

何も持ってない・・・・・・)


「よおしっ!こうしてやるぅ~」


と、一哉は言うが早いが、タオルを持ってくると、

乱暴にゆりぃの涙を拭いた。

そして、お姫様抱っこをして、ベッドの上で、

一緒に食べる準備をした。


「何が不安?何でもいいから、訊かせてくれない?

口、挟まないからさ」


と、一哉はトーストとコーヒーとサラダと、

目玉焼きを順番に食べながら、提案してみた。


反してゆりぃは、コーヒーしか口を

付けられずに居た。

おいしそうには、見えるのだが、のどに

何かが詰まってるような気もするし、胃も、もたれていた。


「ごめん・・・・・・。コーヒーしか飲めないみたい。

せっかく、作ってくれたのに・・・・・・」


と、とても申し訳そうに言うゆりぃ。


「気にしなくってもいいよ。誰だって、

落ち込むことってあるしさ。じゃ、

俺、もらってもいい?」


と、言うが早いが、ゆりぃの食事に

手を付け始めた。


「あんまり食べ過ぎたら、せっかく

キレイに痩せてるのに、、太っちゃうよ」


と、一哉の引き締まったお腹をつっつくゆりぃ。


「ジムには、行けるだけ行ってるんだよ。

そう簡単に、太ってたまるかっ!」


と、怒ったふりをする一哉。

「やぁだ。品川庄治の筋肉自慢のひとみたい。

あまり、ムキムキになるのも考えもんじゃなぁい?」


と、ゆりぃ。


「まあねぇ。俺が見せ付けるために、タンクトップで、

ステージに出たら、どーする?」


と、一哉。


「どうするもこうするも、ステージに

上がられちゃったら、どうしようもないじゃない。

呆れてひっそりと、帰っちゃうかもね?」


と、上目遣いの目でにやりと笑うゆりぃ。


「またまた~。アンコール終わっても、解体

始まっても、なかなか、帰ろうともしないくせに」


と、デコピンをゆりぃにかます一哉。


「いったぁ~い。何すんのよ!」


ゆりぃは、あえて反撃はせず、


「あ。あたし、タバコ吸おう」


一哉は、またかと呆れつつも、台所で、タバコを

吸い始めたゆりぃの後姿が、とても儚く、消え入りそうに見えた。


「ゆりぃ。やっぱり、俺より先には死なないでくれよ~」


今度は、和也が嗚咽が出そうになるのを堪えて、

ゆりぃに懇願した。


「それは・・・・・。そんなこと言われても、

あたしだって同じ気持ちなのよ。

でも、いいわ。あなたのほうが先なのが、常識かも

知れないわよ。案外、いいとこなのかもね、

地獄ってやつも」


と、呟くゆりぃ。


「おいっ!何で地獄なんだよ?」


と、一哉。


「あなたには、地獄が似合ってるかなぁと思っちゃたりして」


と、ゆりぃ。


「最近の俺の謙虚さを見ておらぬのか?」


と、一哉。


「ああ。そうねぇ。歌詞が年相応って感じがするわ。

でも、いいなぁって思ったのは、「寒い朝にこっそりおにぎり

握るように愛してくれない?」って、とこよねぇ。

そういえば、あたしたちって、朝はパンばかりだから、

たまには、和食にしましょうよ」


と、ゆりぃ。




えー。続くかどーか、

全く、分かりません。


ユリより。









花馨る いとおしき日々 もう彼方



☆ 元、恋人とのことを書いてます

でも。

元、恋人を憎んでしまった・・・・・・。

もう、関わりたくもなくなってしまった。

同情とか、されたりして、振り回されて。

電話してもいいよとか、言いながら、

ご愁傷様の一言もなく、また電話は

ダメだよねって訊いたら、そうだねだし、

あたしが書いたケイ君とのコトを書いた

エッセイも読みたくないって、はっきりと

言われて、何か惨めだった。


こころがないのかなあと思うくらい、

冷たいのに、変に同情するって、

何なんだろう?


はあ・・・・・・。

全く、もう、腹立つったら、

ありゃしない。


ええ、ええ、あたしが

間違ってましたよ。


すいませんね。


未来の恋人は、

あたしに未来の携帯から、

写真のデータを貰いたいだけ

なのに、叔父と祖母は

反対するし、(未練を残すからだってさ。

いいじゃない、そのくらい、恩人なんだから)

恋人は、言い方が何だか、

厳しくって、データとか

壊さないで、充電は

必ずしといてくださいねとか、

半分、脅すみたいに言ってくるし、

感情的になったことをなじられるし、

もう、踏んだり蹴ったりもいいところ。


ひとの死って、大変なことなんだなあと、

思うと、今後がきつい。


それから、いさかいを起こされると、

うちに来にくくなるしですねとか、

釘刺されるし、もう、一体何なんだか。


叔父と来たら、もう、頭かっちかちなのか、

温泉くらい、大したことじゃないとか言うし、

何で、そこまで恋人の肩を持つんだとか、

言ってくるし、もう、みんなみんな我侭も

いいとこだよ。


もう、いやっ!


あたしは、恋人の慰めになるのならと、

いさかいまで起こして、頼んだのに、もう・・・・・・。

どうせ、捨てるんだから、上げてもいいじゃないの。


もう、本当に疲れた。

叔父にはさっさと帰って欲しい。

あんな冷酷で、頭がっちがちとは、

思ってもいなかった。


酷すぎる。全員が。


板ばさみもいいとこ。

全く、おセンチになる気持ち、分かるから、

お願いだから、恋人の気持ちも分かって欲しいけど、

ドツボにどっぷりと言う感じで、気持ち悪い。うちの家族が。


でーも、恋人があんな言いかたが

きついとか、思ってもみなかった。


何で責めんだよ、これでも一応、

未来の姉なんですけど。

分かってんのかなあ。

あたしを怒らせたら、とんでもないことになるのを

知らないから、あそこまで言うんだなとか、思うとムカつく。


それに、何でだか、弱い立場に追い込まれて、

必要もないのに、謝罪しなきゃなんない状況まで、

恋人に追い詰められて、もう、好きにしたら?

いつでも、やるよ、未来の携帯程度なら。


もう、辞めて欲しい。


いい加減にしろよな。


ったく。


こっちは、必死で恋人のことが、

未来に取って、いかに大事な存在だったことを、

垣間見てきてるから、つい、そりゃあ、恋人の

肩も持つさ。

本当に恩人だし、温泉だって、

散々連れて行ってくれてるんだから、

常識でしか、自分の物差しでしか、

ひとを計るのやめてくんない?


みんな、勝手過ぎるよ。

何で、こんな事態にまで、

発展しなきゃなんないの?


未来は、そんなことなんか、

起こして欲しくないって願ってるのに、

何で、分かんないんだろう。


はあ・・・・・。


むかついてむかついて、

どうにかなりそう。


未来の手紙に寄ると、

幼少時代にお金なんて、

盗んだことなどないと、

主張してた未来。


反して、黒い頭の

ねずみが居ると言ったのは、

母と祖母。


皮肉でしかないと、祖母は

怒っていた。


でもね、あたしだって

辛いんだよ。


そんな話とか、訊きたくもないよ。


いい加減な大人なんだから、

病人のあたしに未来のグチとか、

悪口は辞めて欲しい。


未来は、どうだったのか、

知らないけど、確かに嘘を

つくけど、でも、現場を

見たわけじゃないんだし、

もう、いいじゃない。

水に流そうよ。


辛い思いを抱えたまま、

最愛の恋人を置いたまま、

あの世に逝ってしまったのだから、

尊重して欲しい。


疲れたよ、本当に・・・・・・。